写真は鉄で出来ている。

撮らない豚はただの豚だ

通達356 「 みまさかスローライフ列車を狙う 因美線紀行・後編 」

この記事をご覧いただき、ありがとうございます。

 

 

冬至でございます。


鉄的にはようやくこの日を越えますと、

日照時間が長くなり始めますので嬉しくもあり、

半年後の朝練シーズンに想いを馳せて

早起きにウンザリしたり…



一時は随分と寒かった関西もここしばらくは

少し寒さが和らいで日中は過ごし易いですね。


冬至を過ぎれば一段と寒さも厳しくなりますので、

皆様も風邪など召されません様に、

どうぞご自愛下さい。



さて、因美線紀行の後編。


今回は少しボリュームのあるテキストと

なりました。

 

読み辛くなってしまい、申し訳ございません。

 

 

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2017-11-12 9625D  智頭ー土師

 

まずは今回のハイライトシーンから。

 

こちらは智頭駅から津山へ向かう、

折り返し列車となりまます。

 

順光バッチリな光線具合でございましたが、

線路に沿って張られたケーブルの影ががが…

 

 

 では、どのようにしてこんなカットが

ハイライトシーンとなってしまったのか、

少し時間を巻き戻し、順を追っての

ご説明を始めます。

 

 

~前編のあらすじ~

 

私はみまさかスローライフ列車を追っかけ撮影しようと目論み、

美作滝尾駅の手前でまず撮影した後、美作加茂駅の手前へ移動し

もう一度撮影する事に成功したのであった。

 

 

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2017-11-12 みまさかスローライフ列車  美作加茂

 

という訳で。

 

美作加茂駅では33分の停車となっていますので、

その間に再び列車を追い越しまして、

駅が見通せるポイントに布陣いたしました。

 

 

 みまさかスローライフ列車では、長時間

停車する各駅にて地元有志の方々による

様々なおもてなしを用意されているそうです。

 

美作加茂駅でも、乗客の皆さんが降車して

駅本屋へ向かわれておりました。

 

駅舎の方では、地元物産品や軽食、

飲み物などの販売ブースを用意して

地域振興を図る企画を実施されておられます。

 

乗客の皆さんが羨ましくなってしまいます。



この列車、自由席の車両(キハ47の2両)は

普通乗車券だけで利用出来るのも魅力なのです。

 

瓶コーラも飲めますしね。

 

 

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2017-11-12 677D  知和ー美作加茂

 

乗客がおもてなしを受けておられる間に、

対向からやってきた普通列車美作加茂駅

近づいてきました。

 

こちらのキハ120形は前編にて撮影した車両で

ございまして、 智頭へ着いた後に、再び

津山へ向けて折り返して来たのでございます。

 

智頭ー津山はこの時間、ノスタルジー編成と

このキハ120-343しか線路上に居りません。

 

 

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2017-11-12 列車交換風景  美作加茂

 

本数の少ないこの区間では中々拝めない、

列車の交換シーンを見る事が出来ました。

 

この後、キハ120形が先行して津山へ向け、

美作加茂を出発しまして、続いて

みまさかスローライフ列車が智頭へ向け

出発となります 。

 

 

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2017-11-12 9624D  美作加茂ー知和

 

山間の集落ゆえに、早い時間で陽が山に

遮られてしまいました。

 

またしても柿の木を配置して、

無理やりの季節感演出を試みます。

 

 

山あいに発展してきた集落である

加茂地区の中心、美作加茂駅を出発した

9624Dは、この後、美作河井駅にて再び

長時間停車を致します。

 

そこで、美作河井停車中の列車を追い抜き、

鳥取県岡山県の県境となる物見峠を越えて

智頭付近へ向かう事と致しました。

 

 

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1997-11-29 キハ40形気動車  美作加茂ー知和

 

ちょっとプレイバック。

 

処分したものと思っておりました古い

アルバムを発見出来ましたので、20年前の

秋にこの地を訪れていた1シーンを併せて

掲載致します。

 


みまさかスローライフ列車を撮影したのと

同じポイントで撮影していたこの画像は

まだ、この路線でタブレットや腕木信号機が

現役だった風景を記録しておりました。

 


線路左に建つ工場の様な建物は今は無く、

代わりに今は住宅が並んでおりますし、

線路右手には今の様に大きな木はなく、

当時はスッキリと線路を見通せる様に

なっております。

 

ですが、20年の歩みにも姿を変える事なく、

ここから見える線路や山々の佇まいは

昔のままで私を出迎えてくれたのでした。

 

 

この頃は車両を各社各線独自のカラーリングに

塗り替えるのが流行っておりまして、

国鉄から引き継いだ首都圏色キハ40も青い車体に白帯という

門司のお座敷12系みたいな

出で立ちでございました。

 

今回この地を訪れて、その変わらない風景に

ちょっと感動しておりました。

 

 

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1997-11-29 急行「砂丘」  美作加茂ー知和

 

ついでに思い出をもう1枚。

 

20年前に因美線を訪れたのは、岡山と鳥取

結んでいた急行「砂丘」が廃止になる

という事で、その姿を記録する目的でございました。

 

今では高規格の智頭急行社線を爆走する、

特急スーパーいなばへと置き換えられましたが、

この頃は独自の車体色ながら、

半室グリーン車のキロハ28を組み込んだ

堂々たる気動車急行編成の列車として

運行しておりました。

 

 

この日は雲が低く垂れ込み、光量が

少なかった為オーバー気味の設定で撮影して

おりましたので、背景が白くぼやけてしまいました。

 

単行の青いキハ40形を撮影したポイントから

農道へお邪魔しての編成写真でございます。

 

 

 

では、時を現在へと進めます。

 

 

美作河井駅に停車している間に、列車を

三度追い抜きまして、智頭方面へと車を

走らせておりますと、

いつの間にか道が片側一車線から

離合困難な、車一台分しかない幅へと

狭まりました。

 

急峻な坂道になり、道幅も狭くつづら折れと

なりまして、陽光も木々に遮られた薄暗い山の中。

 

更に路面には湿気を含んだ落ち葉が、

絨毯の様に敷き詰められていて、ブレーキの

踏ん張りも弱まってしまいます。

 

片側は切り立った崖、反対側はガードレールの向こう、底が見通せない谷。


民家は勿論、街路灯さえ皆無の山中でして、 

そんな道を時間に急かされながらユルユルと

走ります。

 

 

物見峠がこんなに険しい道だとは

思ってもみませんでした。


地図を見ているだけでは判りませんね…

 


下り坂では逸る気持ちがつい、アクセルを踏ませようとしますが、

気力で抑えてエンジンブレーキをかましつつ走行。

 

そうして漸く、麓へと通じる2車線の道幅に戻ります。

 

 

後は間に合う事を天に祈りながらの行程で、

予定していた撮影地へ滑り込みました。

 

いやホンマにギリギリで。

 

 

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2017-11-12 9624D  土師ー智頭

 

列車はもう終点が目の前、という

智頭駅手前のカーブをゆっくりと曲がって

くる所でございます。 

 

何とか間に合いまして、往路最後の撮影でございます。

 

 

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2017-11-12 キハ47 1036+キハ47 47+キハ40 2134  土師ー智頭

 

もう一度引いた構図で。

 

こちらの方が本命カットでございました。

 

 

この後列車は15分で折り返して来ますので、

すぐ様復路を狙う為に移動開始です。 

 

ですが先程越えて来た物見峠に、再び挑むのは

時間的な余裕がない中で流石に辛く、尚且つ

山の稜線に陽が掛かりそうなくらい傾いて

きた事もあり、手近な智頭周辺で復路を撮影し、

今回の遠征を終わらせる事に致しました。

 

 

そうと決まれば撮影地探しでございます。

 

この辺りは土地勘もなく、

下調べもしておりませんでしたので、地図と

風景を照らして確認しつつ、

沿線を少し走りますといい具合に

太陽が射す区間見つける事が出来ました。

 

これはベストショットいただき!

と獲らぬ狸の何とやらにほくそ笑みながら

カメラを構えます。

 

構えてみると、何本ものケーブルが鬱陶しく

垂れ下がっていて随分と厳しい絵面になる事

に気付きました。

 

しかし今更他の撮影地を探す余裕も無く、

仕方が無しにここで撮影する決断を下します。 

 

 

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2017-11-12 9625D  智頭ー土師

 

背後の線路は山影に呑まれておりまして、

この区間にだけ陽が照っておりました。

 

やって来た列車にシャッターを切る寸前、

垂れ下がるケーブルの影が列車の面にまで

掛かっているのが見えました…

 


ここからは鳥取道→中国道を通り、

失意の中で帰宅となりました。

 

結果として今回の因美線では、

ベストショットが得られずに中途半端な

成果で終わり、反省の多い遠征でございました。

 

敗因は勿論、リサーチ不足でございます。

 

 

やはりよく調べもせずに、適当な事をしては

折角の遠出も無駄になるのだな、という事が

今回私が得た教訓でございました。

 

来年の遠征には、

じっくりと下調べをしてから挑む!という

課題を引っさげての帰宅でございました。

 

 

 

それでは、

この記事をご覧いただき、ありがとうございました!