この列車へご乗車いただき、ありがとうございます。
ほんの二昔ほど前、JRの路線内では数多くの
客車列車が東奔西走しておりました。
東北や九州では最後まで残った普通客車列車を
旅客釜が牽引する姿が見られ、主要幹線では
夜通し走る幾本ものブルートレインが輝かしい
ヘッドマークを掲げて疾走しておりました。
繁忙期となりますとギリギリの機関車数を
回しながら、定期列車に加え増発された列車や
団臨などへも運用を割かねばならず、機関区の
職員方もさぞや苦労を重ねたのでしょう。
その様な状況でもし機関車が故障を起こすなど
運用に足りなくなってしまった場合、ダイヤは
乱れ切符の払い戻し等数々の手間が増えて大変な
事態に見舞われる事も予想は簡単でございます。
そんな時、近くのJR貨物から機関車が
借りられる事で難を乗り切る事が出来れば、そんな
ケースが実はしばしば見られたのでございます。
白い塗装に身を包む貨物更新機が真っ青な
夜行列車の先頭に立つ、通常では起こりえない
夢の様な列車を撮影すべく貨物機が代走で
充当された際には鉄さんが夜中の駅へ撮影に
現れたそうでございます。
さて、今回の更新は24日の日曜に撮影して
おりましたロンチキ工臨の模様をご報告させて
いただきます。
黒いロンチキ編成の先頭に立ちますこの日の
1881レ。
拙ブログでもこれまで何度か取り上げて
参りましたロンチキ工臨でございますが、先頭に
立つ釜はJR西日本の機関車でございました。
これはJR西日本の管理する線路上での工事の為、
自社で賄うべく運行されます列車だから
なのでございます。
所が今回はJR貨物が管理をしております
大阪貨物ターミナルの構内における工臨という
事で、レールを届ける列車がJR貨物の担当となり
今回の様な列車が運行されております。
何にしましても通常では見られない、貨物釜の
牽引する旅客ロンチキの姿に痺れます。
ロンチキ編成を引き取りに京都貨物へと向かう
EF210-307の姿を捉えました。
山陽本線の瀬野ー八本松にございます急峻な峠を
越える為の補機としても機能する性能を持った
300番台の桃太郎は、他のEF210とは異なり
側面に黄色帯を備えた姿をしております。
峠越えの際には、列車の最後尾から押し上げる
形でサポートする為、押桃、とも呼ばれます。
側面に小さく「がんばろう西日本」と書かれた
ステッカーも添付され、昨年の豪雨被害からの
復興にも意識が向きます。
引いた構図でもう一度狙います。
機次位にエプロンを備えますので、ロンチキ感が
満点でございます。
定期の客レが絶滅した現在、旅客車両を貨物釜が
牽引する姿は甲種輸送くらいしか捉える機会が
ございませんので、実に貴重なシーンとなりました。
ド逆光になりますが
後打ちをオマケにさせていただきます。
鼻息も荒く如何にレアな機会かを記述致しましたが
興味の無い方々からすればコンテナが無い
只の貨物にしか過ぎませんね。
トコトン地味な、それでいてレアな今回の撮影。
マニアにしか判らないマニアの為のマニアックな
記事になって しまいました。
尤も拙ブログ記事のほとんどが、ニッチな
需要しか無いマニア向けの記事になっております…
それでは、
この列車へご乗車いただき、ありがとうございました!