この列車へご乗車いただき、ありがとうございます。
駅構内などの片隅、保線区辺りに鎮座しております
保線機械はレールの上を走るのですが
鉄道車両では無くあくまでも機械の扱いとなります。
車籍もなく、法によって定められた検査などの
厳しい規定はない為に営業時間内に本線を
自走する事が出来ません。
営業後に信号を閉塞して初めて本線上を自走する
真の意味で縁の下の力持ちな存在でございます。
ですから以前はワタクシも、機械ごとき、と
まるで興味を持たなかったのでございます。
所が、2016年に福山へ譲渡されますBRの姿を
目の当たりにして、その格好良さに痺れてしまい
密かに勉強を始めている所でございます。
何分、人間っぽい見た目なだけの生命体な
ワタクシですから覚えられない事の方が多く
今も鋭意勉強中、という感じでございますが。
さて、今回の更新は11日に撮影しておりましたMTT、
通称マルタイと呼ばれます保線機械の
甲種輸送につきましてのご報告となります。
元々この甲種輸送、9月上旬に設定されていた
深夜帯に走るスジの輸送計画でございました。
ですが、何らかの事情により実施が10月まで
ズレ込みましてまさかの日中、しかも日曜という
嬉しい変更になったのでございます。
甲種輸送マニアの末席に名を連ねたいと常々願う
身の上と致しましては、コレを狙う機会はまたと
訪れないのでは、と思いまして首都圏遠征を企図し
やって来た次第でございます。
川崎貨物からEH200-11が牽引を担います。
鶴見川でメトロ2000系を撮影後、MTTの甲種までは
2時間以上の猶予がありました。
抜けるルートを走ります。
当初は小田栄か川崎新町辺りの沿線で、フェンスから
乗り出す形で構図の確保を目論んでいたのですが
頼りになる地元住みなブログ友氏の知識を駆使し
尻手駅のエキセンで撮影する事になりました。
ほんまに感謝でございます。
ブログ友氏のご提案により市営バスを利用し
然程の時間も掛からずに到着致しました。
まだ撮影まではかなりの空き時間がございます。
小腹が空いていた二人はここで腹ごしらえをする事に
決めまして、南武線に揺られて川崎駅へ向かい
モーニングをいただく事になりました。
良かったね、とブログ友氏は仰います。
ですがワタクシは、川崎鶴見の住宅地を縫う様に
走るバスのパノラマが堪能出来ましたから、実は
かなり満足しておりました。
本番を待つ間に撮影しておきました南武支線の
205系でございます。
JR化後に発注されました東日本の205系は
主要路線から退いた後も前面を換装した新たな顔で
亜幹線へ活躍の舞台を移しております。
先日発表されましたアナウンスでは、水素電池を
利用した実用試験も兼ねて、鶴見線へ新型車両が
投入されるのだそうで。
こちらは南武支線でございますが、都会の
ローカル線と呼ばれます鶴見線にもいつかは
訪問してみたい所でございます。
表題よりも一つ前のコマとなります。
尻手駅構内の待避線と本線の間には、雑草が繁植し
編成を遮るのですが、ここ以上に好みの構図で
撮影出来る場所がない為、やむを得ませんでした。
またこのカットは構図の左上にホーム屋根が入り
次点落ちしております。
MTTを始めとする保線機械は、海外のメーカーで
製造されたものが商社を通じて船便で輸入され
各地へ導入されております。
この分野で圧倒的なシェアを誇るのはオーストリアの
プラッサー&トイラー社でございますが、この
MTTはマティサ社製でございました。
他にもスペノ社というメーカーもあるのですが
残念ながら国内でこうした分野に切り込むメーカーは
今の所、皆無となっております。
バックショットも狙いました。
釜の次位にMTTが、その後ろには介在車として
コキが1両連結されておりました。
取り敢えずはMTTの後ろ姿を撮影しまして…
海外からやって参りましたMTTは港から陸揚げされ
今回のケースですと川崎の千鳥町という貨物駅から
川崎貨物から先をJR貨物が引き受けております。
浸水被害で話題になりました武蔵小杉のタワマンを
見据えながら進む編成全体を、後ろから捉えます。
橋のガードが編成に掛かりますが、辛うじて
後打ちも叶いました。
列車は高崎線の熊谷貨物(タ)まで向かうのですが
途中、新鶴見信号場にて機関車の交換があり
受け継がれる様でございます。
ですのでどちらの牽引シーンも撮影したい!と
欲張りに考えておりました。
ここから先は今回の遠征で最も時間にシビアな
状況となるのですが、尻手駅からすぐに川崎へと
高崎線内の撮影地は余り詳しく無いのですが
遠征に際して調査を行い、フキギョウのポイントへ
向かう事にしておりました。
ただ、フキギョウの撮影地でもフキ寄りの場所か
ギョウ寄りの場所かで構図がまるで異なります。
またクマギョウにも良さそうなポイントが
ありましたから、界隈を機動的に移動出来る様に
足を確保する事に致しました。
駅前にレンタサイクルがあるギョウへ向かい
手続きにヤキモキしながらママチャリをゲット。
決まりサマになったライド姿勢なのですが、後ろを
付いて参りますワタクシは子供達の練習に
付き合って以来の10年ぶりでして。
アッチへフラフラ、コッチへフラフラとまるで
踊っているかの様な無様な運転となりました。
EF65 2086に牽かれてフキギョウの畑横を
走り抜けますMTTの甲種を捉えました。
ギョウへ向かいます電車内からポイントを
確認しておりますと、ギョウにほど近い場所に
良さげな撮影ポイントがあり、駅からチャリ漕ぎ
5分で現着する事が出来ました。
既にショバには20名程の方が構えていたのですが
好みの構図が組める位置は幸いにも少し余裕があり
ブログ友氏と二人、そこへお邪魔しての布陣でした。
引いた構図でもう一度。
時間にシビアな状況とは書いていたのですが
実際の所、練習電2本分の余裕はありまして
流石はチャリ!とレンタサイクルの恩恵に
感謝するのでございました。
本番までの待機中にも続々と鉄さんが詰め掛け
ショバはたちまち30名規模へ膨れましたから
駅から徒歩でしたら列車の通過前に場所が埋まり
泣きを見たかも知れません。
オマケ。
通過する列車のサイドを、畑の脇に構える皆様を
入れてのオマケカットでMTTを見送ります。
この列車が通過後、1時間強ほどでこの日最後の
そして大本命となります大ネタが通過致します。
詰め掛けた鉄さん方は皆、車へ戻り更に高崎寄りの
オカポン辺りへ出発していきまして
ショバは瞬く間に伽藍とした状態になりました。
我々も当初はオカポンを考えていたのですが
折角チャリを手に入れましたので、取り敢えず
次はクマギョウへ行って構図を
組んでみる事に致します。
そんな訳で次回は
遠征最大の目的でございました大ネタの
ご披露が出来るものと思っております。
出来なくても怒らないで下さいね…
それでは
この列車へご乗車いただき、ありがとうございました!