この列車へご乗車いただき、ありがとうございます。
映えと申します言葉を、我々撮影に
携わる者はよく目にしたり
耳に致します。
食べ物であれば新鮮さ、或いは
食欲を掻き立てられる様な撮り方。
服飾であればお洒落度が高く
購買欲が強くなる様な撮り方などが
映えに類するものと申せましょう。
鉄道写真の場合は被写体を格好よく
撮影する、なんてのも映えでしょうし
編集でより鮮やかに美しく加工された
写真も目に致します。
ワタクシなどは撮り鉄を始めてたかが
数年、素人の中でも下層で蠢く芋虫の
如き存在でございます。
そんなワタクシでも同じ場所・同じ
被写体を追っている内に、多少は映え
というものも意識する様になります。
何をどう表現するか、を念頭にして
短編成だとサイド寄りの構図を組み
長編成の電車や貨物は望遠でキュッと
圧縮したりと構図を考えます。
必ずしもそれが正解とはならない点が
撮り鉄の難しく、かつ楽しい所とも
申せましょう。
納得の一葉を目指して今日もまた
試行錯誤に勤しむのでございます…
さて、今回の更新は近車からの新製
出場となります、東京メトロ2000系の
甲種輸送につきましてご報告させて
いただきます。
この日は早朝にも東京メトロの甲種が
関西を通過しております。
甲種輸送をプライオリティの頭に置く
ワタクシではありますが、どうにも
噛み合わずに不参戦となりました。
ですが、午後に走る近車からの甲種は
ガッツリ参戦でございます。
EF210-345に牽引され、ピークを過ぎ
枯れも目につく秋桜に見送られます
東京メトロ2000系を仕留めました。
青い車体と赤い車体が対比となります
編成が、紅桃色の花々が咲く裏調子を
駆け抜けて行きます。
この日の撮影は別の釜を最初に狙って
布陣しておりました。
調子から裏調子へ向かう道すがらの
ショバにて、軽く一発撮影致します。
EF66 119がDD200-16を牽引します
8865レが被写体でございました。
この日はザリガニ以外に財源の無い
編成でしたが、貴重な日中の鮫。
有り難く撮影させていただきました。
斜光線かつ逆光気味な為、色の出が
悪い後打ちでございます。
今やEF66と申しますとこの、ライトが
角型な二次車の鮫となりました。
ファンの中にはこの角鮫をEF66とは
認めない、乃しは認め難いと仰る方も
いらっしゃる様でございますが、この
釜も歴としたEF66でございます。
好悪はさておき、歴史的な意味でも
重要な位置にあるリピートオーダーの
釜ですから、その活躍はしっかり
記録したい所でございます。
8865レを撮影した後は、コスモスが
未だ残る裏調子へと向かいまして
練習撮影で新快速を狙います。
ここでのチェックポイントは斜光線と
なりました陽が落とす、架線柱の影。
釜に落ちない様に切り位置を確認して
本番に備えて構図を調整致します。
挨拶ショットは対向の普電がゲストに
出演致しました。
高架道路の影落ちが伸び、メトロの
編成は半分がまだ影の中におります。
そんな甲種輸送に普電が襲い掛かる
瞬間を捉えました。
ここからレンズを引きまして本命の
構図に移行致します。
底辺にコスモスを配置し、影落ちが
釜に掛からない切り位置を確保して
ファインダーを覗きながら指先に力を
入れシャッターを押し込みます。
今回の〆。
蒼穹と押桃の青がシンクロ率60%を
叩き出す秋の夕刻、赤い地下鉄を牽く
甲種輸送列車が走り去ります。
この日の列車は普段よりも1、2分早い
通過に感じましたが、実際に並走する
普電がかなり後からやって来ました。
そのおかげで、素敵なオマケも確保を
する事が出来ました。
オマケ。
関西を代表する特急の代名詞、非貫通
顔の683系とサインウェーブ誇らしく
肩に乗せた赤い2000系の一瞬の交錯。
そんな場面を、青い空と秋桜を絡めて
仕留める映えたオマケとなりました。
狙っても撮れないタイミングでの
面白い一葉が記事の最後を飾りまして
満足な撮影でございました。
このショバにてご一緒させていただき
ました皆様、ありがとうございます。
楽しいひと時に感謝しております。
それでは、
この列車へご乗車いただき、ありがとうございました!