写真は鉄で出来ている。

撮らない豚はただの豚だ

第2763列車 「 早朝の銀ゴトー貨物を狙う 」

この列車へご乗車いただき、ありがとうございます。

 

 

人生には楽があれば苦もあり、と申します様に

撮り鉄をしておりますと実に様々なラッキーや

反対に残念な事案に遭遇する事がございます。

 

思い通りに撮影が叶う事もありますが、大体は

その様なラッキーなど当たり前の事の様に忘れ

苦々しい思い出だけが色濃く残ります。

 

待っている列車がウヤで長い時間、待ち呆けを

喰らったりとか、列車を撮影する瞬間に雲が

陽を一部だけ隠すマンダーラになったり。

 

或いはショバへ布陣すると土砂降りに遭い

撮影どころでは無くなったり、草木が伸びて

構図が死んでしまったりなど、悔しい思いは

枚挙に暇がありません。

 

今振り返りましても香りの無いブラック珈琲を

飲まされた様な気分になります。

 

そんな中でも最も口惜しいのはやっぱり…

 

 

さて、今回の更新はDD51が牽くロンチ…では

無くて元カシオペア塗装のEF510が牽く早朝の

貨物列車を狙いましたご報告でございます。

 

日の出は関西だと7月後半には5時台となるので

朝練シーズンは早くも先が見えて参ります。

 

そんな時期ではございますが、今少し鉄活を

楽しむ為にこの朝も聖地・調子踏切へ参戦して

おりました。

 

 

2024-07-17 4081列車

EF510-509が曇り空の下を北陸へ向けて駆ける

場面を捉えます。

 

太陽は昇ってこそおりますが、厚手の雲がその

威光を覆い隠してしまい露出は今一つ。

 

ですが現代科学の力により、デジ一だと明るく

仕留める事が出来たのでございます。

 

有り難や、有り難や。

 

でも実はこの朝の目的は銀ゴトーではなく

その前に通過する工事臨時列車の方だったので

ございます。

 

 

2024-07-17 工9252列車

定刻、調子踏切が鳴動して遮断器が下りますと

暫くして彼方から、見慣れたライトがこちらを

鮮やかに照らします。

 

この朝は奈良転回、片町線内でレールを下ろす

ロンチキの返空が目当てで布陣致しました。

 

高感度設定にして明るさを確保する代わりに

画質は贄となりザラザラでございます。

 

が、一応は遠目にケツエプロンのロンチキが

見て取れました挨拶ショット。

 

よしよし、このままやって来い!

 

集まった撮り鉄諸兄はファインダーを覗きつつ

静かに見守ります。

 

所が!

 

次の瞬間、我々は冷水を背に流されたかの様な

出来事を目に致しました。

 

 

2024-07-17 工9252列車

ヒタヒタ。ヒタヒタ。

 

我々撮り鉄を親の仇の様に睨め付けながら

静かに迫って来る、まさかの刺客が現れます。

 

ロンチキー!うしろ、後ろー!と、つい志村に

声を掛けるコントみたいな気分になりました。

 

いやいやアレだけ距離が空いていれば大丈夫。

 

先にロンチキが抜けるさね、そう自身に

言い聞かせて、心中を落ち着けながらいつもの

決め構図へと組み直しました。

 

実際、この写真を見るだに普電とロンチキには

結構な距離が空いている様に思いますよね。

 

 

2024-07-17 工9252列車

あぁ無情…コゼットォ!

 

無慈悲な207系の猛追によって、睡眠を削って

馳せ参じた朝練の成果が、幻と消える結末を

迎える事となってしまいました。

 

DD51 1192の牽く奈良転回ロンチキは、残念な

事に撮影する事が出来ませんでした。

 

いやいや、アレだけ後ろに居た普電がよもや

ここまで追い縋るとは…

普電の運転士は恐らく撮り鉄に大切な家族を

奪われた恨みを持っているに違いありません。

 

ジャンは無実なのに。

 

居合わせた撮り鉄諸兄と溜め息をつきながら

お口直しに、次に来るゴトー貨物でも撮影して

切り上げましょうか、と示し合わせます。

 

気分を切り替えまして。

 

 

2024-07-17 4081列車

今回の〆。

 

こちらは期せずして銀釜、EF510-509の登板と

なりましてラッキーなオチを付ける事となった

〆の撮影でございます。

 

九州に配置されます300番台と違い、挿し色が

無い地味な色合いではございます銀ゴトー。

 

ですがその地味さこそ、かつては派手な柄の

シートを貼り付けて活躍したカシオペア牽引の

名残りでもありましょう。

 

3桁貨物機ではレアとなりますHMステーを持つ

EF510-500番台の中でも、2両しか居ない銀の

車体のゴトーさん。

 

次の全検でも姿形が維持されるのか。

 

その行く末が気になる

今日この頃でございます。

 

 

それでは、

この列車へご乗車いただき、ありがとうございました!