写真は鉄で出来ている。

撮らない豚はただの豚だ

通達362 「 併用軌道さんぽ 阪堺電気軌道・モ161形162号を狙う 」

この記事をご覧いただき、ありがとうございます。

 



昨日付の日経新聞中国地方版には、2018年度に

227系を118両導入して今も広島支社に残る

115系を一掃するという記事が出ておりました。 


同系それ自体は岡山にまだまだ残されますが、

広島支社からの撤退という事は野球や

サッカーの個性的なラッピング車は、

今後もう見られないのでしょうか…


動向に注視したいと思います。



では、本日の更新を。



1928年。

 

今から89年前に製造され、今なお定期旅客列車として

通常営業に従事する国内最古の電車が、

今回ご紹介する阪堺電気軌道のモ161形電車でございます。 

 

 

車両は当時、16両が新製されたのですが、

もうすぐ2度目のオリンピックを迎えようという

現在でさえ4両が車籍を有しています。

 

車両も窓枠や扉が木製のまま、昭和初期の香りを

私達へと伝えてくれています。

 

今回の更新では、そんな阪堺電気軌道

モ161形を狙いましたご報告となります。

 

 

モ161形は冷房設備を搭載していない関係で、

夏季は運用から外れてしまいます。

 

いつかは撮影したいな、と思っておりましたが

秋になると今度は私の方が中々時間が取れず、

と申しますか、北びわこ号だの他のネタを

追いかけておりまして阪堺電車へ訪問する

機会がございませんでした。

 


この日は和田岬線羽衣線と来て、帰り道で天王寺を通る事から

途中下車して憧れのモ161形を撮影しよう!と

思い立ちました。

 

 

ですが、阪堺電車に関しては

大まかな路線図くらいしか知識がございません。

 

モ161形の運用は勿論、どこでどのように

撮影すればよいのかも皆目見当がつかない

状況でございました。

 

取り敢えず勢いで鳳から乗車した阪和線

天王寺で下車し、阪堺電車上町線ターミナルとなる

天王寺駅前停留所へ向かいます。

 

天王寺駅前から南の方向へ延びる上町線は、

左右2車線の車道に挟まれた専用軌道でございますが、

次の阿倍野停留所から松虫停留所までの間は

併用軌道となっておりました。

 

天王寺駅前電停から撮影に適したポイントを

模索しながら2キロ近く歩いておりますと、

松虫停留所手前から専用軌道となる個所がございまして、

直線の車道に対して軌道はカーブを描いて平面交差しておりました。

 

これは面白そうな絵になるのでは?と

閃きましてカメラを構えます。

 

天王寺方向を望みますと、背景には天を突く勢いの

あべのハルカスが聳えておりました。

 

 

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2017-11-19 モ161形162号  阿倍野ー松虫

 

こちらが表題写真となります。


周囲が影に呑まれる中、車両にだけ

スポットライトが当たる瞬間を捉える事が

出来ました。

 


この日は日中、薄曇りで中々陽が

射さなかったのですがこのポイントで

撮影を始めたころから少しずつお日様が顔を

出す様になりました。

 

 

渋い濃緑をまとった162号。

古のツワモノがゆっくりとカーブを

曲がってくる所でございます。

 

ゴゴォ、ゴゴォ、と唸りながら近づいてくる

モーター音に混じり、

まるで船の櫂を漕ぐかのような、ギィッ、

ギィッという軋む音も聞こえて参りました。

 

  

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2017-11-19 モ161形162号  松虫ー阿倍野

 

丸きり運用も判らないまま、当てずっぽうで

撮影に挑んだのですが、ラッキーな事に

お目当てのモ161形に出会う事が出来ました。

 

 

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2017-11-19 モ161形162号  松虫ー阿倍野

 

こちらはド逆光でしたので、影となる家屋に

露出を合わせて車体の色合いが出る様に

調整しての撮影でござました。


この撮影の後、天王寺駅前から折り返してくる

モ162号を撮影したのが、本日の表題写真で

ございました。


 

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2017-11-19 モ161形162号  阿倍野ー松虫

 

冒頭の写真から一コマ後の絵は、ご覧の様に162号の

前面排障器が影に沈んでしまっております。

 

正に一瞬のチャンスでございました、スポットライト。

上手くモノにする事が出来、とても嬉しい

一葉となりました。 

 

 

 

それでは、

この記事をご覧いただき、ありがとうございました!