写真は鉄で出来ている。

撮らない豚はただの豚だ

第1355列車 「 113系L5編成の返却回送を山陰本線で狙う 」

この列車へご乗車いただき、ありがとうございます。

 

 

神隠し、と申します言葉がございます。

 

ふと、ほんの短い時間、目を離した隙に目の前から

消え失せる様な現象を、かつては神が求めたからと

言う理由付けをしていたのでしょう。

 

実際は神なる存在が超常的に隠匿した訳では無く

何らかの論理的な理由が解明出来ずその所在が

不明になっているだけ、というのは拙ブログを

ご覧の皆さまには自明の理でございますよね。

 

 

実は神隠しに遭ったのでございます。

 

いえ、ワタクシ自身が、という訳ではございません。

 

事の発端は昨日早朝、甲種輸送を撮影する為に

滋賀県のポイントへ到着した所から始ります。

 

陽が昇る前の時間帯、現場にはワタクシ以外に

人っ子一人居りません。

 

現場は築堤でして、左右は崖の様に切り立った

絶壁となっております。

 

線路に向かって右手が川、左手は細い雑木や

背の高い夏草、蔦類が茂るミニジャングルの様に

なっているのですが、築堤上はそれらから3mほど

高い位置にございます。

 

そんな築堤上で踏み台とカメラバッグを地面に置き

アングルを決めるべく1,2分ほどブラついてから

戻って来ますと、ん?カメラバッグが見当たりません。

 

辺りはくるぶしよりも少し高い程度の雑草しか

生えておらず、カメラバッグが見えなくなる様な

茂みもございません。

 

勝手に持って行く様な人影も無く、ましてや鳥や

小動物も居りません。

 

わずか1、2分だけ目を離した間に、忽然と

カメラバッグが消失してしまったのでございます。

 

ここで慌ててパニックになれば見つかるものも

見つからず、見付けにくいものですか~♪と陽水に

耳元で歌われてしまいます。

 

そこで、冷静になるべく一旦気を落ち着かせ

長門の仕業かおのれヒューマノイド端末めっ、と

まるでいつかのクリスマスの時の様な高校生に

なった気分で辺りを見回します。

(↑ 全然落ち着けておりません)

 

ここで重要な事項を確認しておきますと、カメラの

入ったバッグは手足が生えていたり車輪があって

歩行したり自走する様な未来的なものでは無く

2千円で購入した安物なのでございます。

 

従って待遇に不満を覚えて自発的に持ち主の

下から立ち去る様な事は出来ないと申せます。

 

まさに神隠しに遭遇した気分でございます。

 

取り敢えず周囲を捜索してみたのですが見当たらず

川の方を見下ろしてみましたが落ちた形跡も無し。

 

ミニジャングルの方は草木が茂っていて

見通しが悪く良く判りません。

 

それでも、可能性があるのはミニジャンの方だと

アタリを付けて調べてみたのですが、結局バッグは

見つかりません。

 

崖下へ降りて調べなければ判らなさそうだという事で

適当な格好で撮影に来ていた為、その場では諦めて

甲種輸送スマホで撮影しておりました。

 

この日のテンションは一日ダウナーで

デジイチが手元に無い生活とはこれほどまでに

空虚な物だったのかと、我ながら驚くほどに

無気力で喪失感がパない状況でございました。

 

そこで、何としても捜索して取り戻すべく

準備をする事と致します。

 

お仕事が終わった夜、ホームセンターで

5mのロープと軍手、各種ライトを購入して

再度、滋賀県のポイントへ乗り込んだのでした。

 

 

辺りは灯り一つない暗闇。

 

線路との境界であるフェンスにロープを結わえ

ライトを体とロープの先端に括りつけて決死の

降下を試みます。

 

かなり逡巡してしまったのですが、ワタクシの

状況をお伝えした鉄仲間の皆様から温かなお言葉を

いただき、それが背中を押す形で絶壁を降りる事が

出来ました。

 

ミニジャン内部はえらい蜘蛛の巣と細い雑木の枝や

蔦が足と視界を阻むのですが、ライトが照らす先を

注視しておりますと枯れ草に埋もれて

見慣れたストラップが目に入りました。

 

近づいて草を除けながら確認しますと紛れもない

ワタクシのカメラバッグでございました。

 

あったー!!見つけたー!!と

心中で喝采し、状態を確認致します。

 

日の出から深夜までまるっと草むらに

放置されていた割には汚れも破れも無く

バッグは意外と綺麗な状態。

 

まずはこれを持って絶壁を登はんせねばなりません。

 

ロープを固く握りしめ、壁に足をつけて

蹴る様にしてよじ登り、カメラ共々無事に

生還する事が出来ました。

 

勿論その場で、心配して下さった鉄仲間の皆さんに

回収出来た旨をお伝えし、カメラが正常に動くのも

確認して帰路へと付きました。

 

で、今朝。

 

身体中が筋肉痛で痛いのなんの…

 

これがオッサンという生き物のサガなのでしょうが

ツケは意外と大きかったのでございます。

 

 

さて、今回の更新は無事に回収できたデジイチ

正常に撮影、記録できるかを試験するべく撮影した

113系回送のご報告となります。

 

この113系、京都支所から車輪転削の為に福知山へ

向かいまして、作業が終わり京都へ戻る際の回送で

ございます。

 

普段は走らない山陰本線京都口を4連の113系

走るシーンとして、以前にもご報告申し上げた事が

有るのでご記憶の方もいらっしゃるかと存じます。

 

 

f:id:kyouhisiho2008:20200916203919j:plain

2020-09-16 回9870M 八木ー千代川

晴れを期待して布陣したここでは

無念の薄曇りとなりました、113系L5編成の

山陰本線走行シーンでございます。

 

学生さんが一人、先客で構えていらしたのですが

コチラの要望を聞いて場所をシェアして下さり

表題を撮影する事が出来ました。

 

撮影、記録ともカメラの動作は問題なく

ご覧の様に更新記事も作成できました。 

 

 

f:id:kyouhisiho2008:20200916204002j:plain

2020-09-16 回9870M 船岡ー園部

表題の前には単線区間へ布陣しておりました。

 

背景の集合住宅が気になる方もいらっしゃるかも

知れませんが、被写体が山と同色なので反って

アクセントになるかと思いここで撮影。

 

でもやっぱワタクシも建物は邪魔だと思います…

 

 

f:id:kyouhisiho2008:20200916204047j:plain

2020-09-16 回9870M 船岡ー園部

引いた構図でもう一度。

 

建物は邪魔なのですが光線は美しく、ここで

撮影して満足しております。

 

サクッと撮影後はすぐに車を走らせまして

表題のポイントへと向かいました。

 

この区間の国道は片側1車線で道の中央には

追い越しが不可の黄色線が引かれております。

 

車列の先頭を走る軽トラがゆっくり走ると

長ーい車列になってしまいます。

 

でも焦ってはいけません。

 

何故ならば、道の各所にはポリスメーンが隠れ潜み

不埒なドライバーを精神的地獄の底へと突き落とす

準備をしているのでございます。

 

そんな訳でのんびり走りながら撮影地へ。

 

 

f:id:kyouhisiho2008:20200916204131j:plain

2020-09-16 287系FC01編成 八木ー千代川

 表題の前にやって来ました練習電。

 

 113系はこの列車を先に行かせるために

停車しておりますので、この練習電が撮影出来れば

あとは本番を待つばかり。

 

お天気の回復も待つばかりだったのですが

そちらは叶わぬ願いとなってしまいました。

 

 

f:id:kyouhisiho2008:20200916204211j:plain

2020-09-16 回9870M 八木ー千代川

今回の〆。

 

表題から引いた構図でございます。 

 

背後の架線柱が鬱陶しくて次点落ちとなり

こうして〆に活用しております。

 

バックショットは場所を空けて下さった学生さんに

お譲りしワタクシはこれにて終了。

 

先ずは無事にカメラが使える事を確認できて

この日の鉄活を終える事となりました。

 

 

所で、なぜカメラバッグが崖下へ落下したのか

実はそれも判明しております。

 

地面に置いたバッグのストラップが足に引っ掛かり

それを蔦が絡まったと勘違いしたワタクシが

蹴っ飛ばした拍子にカメラバッグが転がってしまい

斜面の勢いで転落した様でございます。

 

千切れたストラップが恨めし気にワタクシへ

そう語ってくれました。

 

当然ストラップは修復し、今後もバッグ同様に

活躍してもらう予定でおります。

 

 

それでは、

この列車へご乗車いただき、ありがとうございました!