この列車へご乗車いただき、ありがとうございます。
調子に乗ると碌な事がございません。
そこは重々承知しているのでございますが
つい、調子に乗ってしまいました。
予め申し上げておきます。
不愉快な気分にさせてしまったのでしたら
伏してお詫びを申し上げます。
賢者モードな今でしたらば、冷静に己のアホな
所業を反省する事が出来ます。
さて、今回の更新はしばらくお休みしていた
奈良線紀行の最終回、大トリとして
控えていた103系の撮影報告となります。
この日はまだお正月休みでして、良いお天気に
赴いたのでございました。
103系、この当時はまだ全検出場からひと月程
しか経ていないNS409編成が綺麗な車体に加え
奈良方の先頭車に車番ステッカーが無い状態で
記録する良い機会でございました。
現地へ到着しますと、既に似た様な思考をした
鉄さん達が十重二十重にひしめき合う状況。
そんな中でワタクシ好みの少しサイドに振った
構図のポジションはまだ空いておりました。
しめしめ、と口角をニヤリと吊り上げて位置を
確保し、列車を待ちます。
その1やらその2で撮影した練習電で具合を
確かめながら、いよいよ103系が、NS409が
やってくる時間となりました。
まさかのドン曇りとなる名所を、無慈悲にも
郷愁を誘う国鉄モーターを高らかに歌いながら
NS409編成がやって参りました。
運転席には帽子の形状から、女性と判る方が
業務に就いております。
マスクのおかげで、相貌がよく判らないまでも
きっとオッサンが喜ぶきゃわいいお顔をされて
いらっしゃるに相違なし!と根拠なく決めつけ
シャッターを切りました。
引いた構図で再度狙います。
車番の貼られていない姿を、昼の走行でも
しかと記録する事が叶いました。
お天気はアレですが。
その後はもはやお約束でございましょう、空は
再び陽光を降り注ぎ、歯軋りする我々無垢なる
撮り鉄達を嘲笑います。
ふふん、太陽め。
油断した貴様の負けよ、とばかりに我々の
心中には秘策?があるのでございます。
その秘策?とは。
おりまして、もう1編成もNS409の後から
奈良へ向けてやって来るのでございます。
そちらの方こそ、晴れカットで仕留めてやんよ
と撮り鉄の心は一致団結して横暴な太陽へと
反旗を翻すのでございます。
と、銀河さんのアジテートばりの盛り上がりで
もう一本の103系を迎えます。
踏切が鳴り出しました。
勝ったな…
そう誰もが確信したその刹那。
マンダーラ光線の直撃が我々を打ち砕きます。
いけない!あの雲は…憎しみの曇りだっ、と
ニュータイプでなくても判るまさかの仕打ちに
一同は落胆しながらも、果敢にシャッターを
切るのでございます。
でもね、やはり神は我々を見放しては
いらっしゃらなかった様でございます。
ほら、よく見てください運転席を。
愛くるしいと予測されます女性運転士が
二人もいらっしゃるのでございます。
引いた構図でもう一度。
台車やスカートが古式ゆかしい黒で引き締まる
いにしえの姿で走る、じゃない方の103系。
NS407編成にはこの日、女性二人が運転席と
助士席にいらっしゃいました。
お姉様と妹分みたいな感じでしょうか。
ここを…こう!
あんっ、焦らないでノリコ。もっとマスコンは
優しく握らなきゃダメよ?
ハイ!お姉様!
とか言っちゃってユリユリした世界が広がる
ガラス越しの空間を前からガッツリと仕留める
事が出来ました。
奈良へ向かったNS409が戻って来ました。
晴れなくて良いタイミングではバッチリ陽光を
浴びさせて下さるこの日の太陽。
おかげで素敵なガングロ103系が仕留められ
気分はお盆過ぎに海水浴へ来た時の様。
今回の〆。
せめてもの救いを見出すとするならば、往路と
同様に女性運転士がいらっしゃる点でしょう。
この際、助士席の野郎には目を瞑ります。
彼女の握るマスコンはワタクシ。
時に優しく、時に熱く握りながら大宇宙の様に
広大な妄想線路を何処までも走り続け、その
果てにハッシャしてイクのでございます。
ふぅ。
それでは、
この列車へご乗車いただき、ありがとうございました!